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巻き爪|大田区大森の大木皮膚科

巻き爪対処法| 大田区大森の大木皮膚科

巻き爪対処法の実技

巻き爪の対処法を皆で考える様子様々な巻き爪治療につき御紹介してきましたが、では一体どれが本当に効果のある対処法なのかという疑問がでてくるのではと思います。最近では、さまざまな市販の巻き爪グッズが販売されておりますが、病院でおこなっている対処法と比較しながらご説明したいと思います。
◆矯正法の分類・種類・治療装具の装着・矯正法以外の方法・治療期間と再発・手術は必要?・ワイヤー矯正後の注意など、順にご説明いたします。

【巻き爪目次】
1,巻き爪とは?
2,病院の巻き爪手術(保険適用診療)
3,巻き爪・陥入爪のワイヤー矯正治療
4,魚の目の原因・診断・治療はどうすればいいの?
追補;巻き爪対処法の実際
追補2;化膿した巻き爪治療症例

巻き爪対処法は?

【矯正法の分類】

1,爪を変形しやすくする方法
 爪矯正を行う補助する手段として、矯正前後に爪を変形しやすくする様々な方法が行われます。
・パーマ液を塗布する方法
爪を薄く削る、溝を掘る
・矯正治療後にお湯につける
熱を加える(爪アイロン法)
爪を変形しやすくする方法
※爪甲は髪の毛と同じく皮膚のケラチンという蛋白が変化して出来たものなので、熱を加える・お湯に浸けるなどで変形しやすくすることができます。

 
2,爪を支える方法
 爪との当たりを和らげる、肉芽部分を保護するなどの目的で爪を支える方法も良く行われます。
・コットンパッキング、コットンテープ法
・ガター法(アクリルガター法)
・アクリル人工爪

爪を支える方法
※軽度の巻き爪(爪と皮膚のあたり)にはコットンパッキングが良く行われます。本格的な肉芽形成例ではガター法を行うことが多くなります。爪自体が欠けてしまって支えがないときは人工爪を作って爪と皮膚の支えの関係を回復させます。
※コットンパックをやり過ぎると爪甲剥離になることもあり、自己治療する場合は詰めすぎに注意します。

3,爪自体を矯正する方法
 爪に装具(主にワイヤー系・プレート系)を装着して爪甲本体の巻きを直接治す方法です。矯正する原理としては、主に①爪上に反発力をもったプレート、ワイヤーを装着、②ワイヤーを穴を開けて爪に通す、③ワイヤーで両端の爪を引っ張る方法に分類できるでしょう。

マチワイヤー
⇒超弾性ワイヤーを爪に穴をあけて入れる
VHO巻き爪矯正・コレクティオ
⇒爪端にフックを掛けて引っ張る
BSスパンゲ(グラスファイバー強化プレート)
ペディグラス(レジン樹脂プレート)
両者とも貼付法
SH法(ステンレス弾性ワイヤー)
⇒Spring & hook法にて爪挙上;そがわ式

爪自体を矯正する方法

 以上、前ページまでにご紹介した主な矯正法を方法別に分類すると上記の如く、①変形しやすくする方法、②爪を支える方法、③巻いた爪自体を矯正する方法、となります。当院で対応可能は方法は太字となります。
 

【矯正治療手技】

 巻き爪には様々なタイプがあり、全体に緩く巻いたもの(上記のどの方法も適応可)、端がホッチキスのように折れ込んだステープル型、片方の爪端だけがくるった巻いた”つの字”型、全体に180度近く巻いてしまう弯曲爪などの形に分けられるでしょう。

 爪の状態としては、薄くて浸軟した爪厚みがあり硬い爪横皺もしくはひびが入った爪短く切りすぎた爪爪棘が食いこんだ爪、巻きが強くないが肉芽形成の強い爪割れ爪手の巻き爪などのパターンがあります。

さまざまなタイプの巻き爪

 一般的な治療装具の特徴を挙げると、まずプレートタイプ(BSスパンゲ・ペディグラス)薄い爪、巻きの緩い巻き爪には効果を出しやすいのですが、厚い爪・巻きの極端に強い爪にはプレートの矯正力が負けてしまい限界があるのが欠点と云えるでしょう。これらのプレート法は爪をルーターで平らに削る・特殊な樹脂接着剤で固定性を挙げるなどの工夫により矯正を行いますが、1ヶ月程度で接着力が落ちてしまうために毎月交換しなければないことも注意が必要です。
 一方、接着力を強化する工夫のない市販のプレートタイプはすぐに取れてしまいほとんど矯正力は期待できないものと思われます。

プレートの反発力で矯正する方法

 ワイヤータイプには、①ワイヤーで爪の両端を引っ張るタイプ(VHO式)、②ワイヤーの反発力を利用したもの(マチワイヤー・SH式)に大きく分けられます。ワイヤーの種類としてはステンレスワイヤータイプ(VHO式、SH式)と超弾性ワイヤータイプに分けられます。さらに、ワイヤー矯正力の作用点からみると①マチワイヤーは爪に穴を開けた部位になり、②VHO式・SH式は爪端を直接引き上げられるのが利点と云えましょう。
 それぞれの矯正法のメリット・デメリットを考慮しつつ、実際の巻き爪治療に適応していく必要があると思います。 ワイヤータイプの矯正の種類

コラム・市販の巻き爪用品と病院での治療
 インターネット上で巻き爪と検索すると、さまざまな方法がのっています。一体どれが良いのか?・・迷ってしまいますよね。 ①医療用の弾性ワイヤー法を模倣して市販のワイヤーで自己治療する方法、持ち上げた爪をさらにバネ装具で引っ張る方法など、自己治療を行うこともできますし、②当院でも採用しているBSスパンゲ・ペディグラスなどプレート法は医療機関以外の接骨院・ネイルサロンでも施行可能です。

 もちろん、軽度の巻き爪の方はそれらの方法で改善すれば良いと思います。医療機関で対応するのは、これらで対処不可能な肉芽形成が高度のもの・爪端が食い込んで通常の装具で困難なもの・短く切りすぎた爪・高度の弯曲爪などが適応でしょう。当院では、いくつかのワイヤー法を組み合わせ爪の状態に合わせた最適な巻き爪矯正治療をご提供するようにしております。

 

【治療装具をどこに掛ければ一番効率的か?】

 実際の爪矯正では、様々な爪の問題(肉芽・短い・厚い・硬い・巻きが強い)に対して、どの予備矯正法を採用し、最終的な爪矯正法はどの方法が適切かを判断しつつ矯正治療を行っていきます。また、一般的に爪矯正時には爪を伸ばすように云われることも多いかと思いますが、あまりに伸ばしすぎた爪は逆に巻きやすくなってしまうことも問題です。

根元まで巻いているタイプは先端のみ上げてもダメ

 どの部分に矯正装具を掛けると一番効率的に巻き爪矯正を行え、かつ痛みが緩和できるかを考慮しつつ治療を行いますが、巻きの角度が余りに強い巻き爪にどのように対処するか、根元の巻きに対してどのように挙上を行うかなども対処が難しい問題となります。

※特に、マチワイヤーと同様な方法を自己流で行う場合は爪の程よい厚みがあり巻きが余り強くなければ良いのですが、巻きが強い症例・爪が薄く柔らかい例ではワイヤーの力に爪が負けて折れる・ぎりぎりの丁度良い部分に穴を開けてワイヤーを挿入するのが困難など問題が生じるのではと思われます。

 

【矯正以外の対処法は?】

 巻き爪で病院に掛かる方の一定数に巻き傾向はあまりなく側爪郭部に肉芽形成のみが強く生じるケースがあります。その場合は、抗菌剤内服・消毒・抗菌剤外用などで1週間ほど経過をみて炎症が消退したあとにガター法に移行することが多くなります。ガター法だけでも、肉芽の消退が見られることもありますが、肉芽がなかなか引かない場合は液体窒素治療・局麻下に切除、酸で焼く・局所の圧迫を避けるなどの工夫が必要です。
 

矯正以外のさまざまな対処法

 軽度の巻き爪・巻き爪治療後のアフターケアとして、コットンパック法が良く用いられます。積極的に爪を持ち上げる効果は弱いですが、爪甲の巻く力と側爪郭の支える力のバランスを補助するのに有効です。矯正治療中の爪の割れや欠け爪に対しては、コットンパック+医療用接着剤のよる簡易人工爪法・本格的な欠損や割れ爪にはアクリル人工爪法(ナオルン)を施行して対応するようにしております。

 

【治療期間は?再発はありますか?】

 巻き爪は良く治療が終わるまで1年かかると云われます。様々な巻き爪治療セミナーに参加すると、足の親指は爪が生え替わるまで1年位かかるという理由で治療には1年近く掛かりますというご説明が行われることが多いように思います。
 当院では、様々な矯正治療法を取り入れており、中程度の巻き爪で2~3回(2ヶ月程度)、高度の弯曲爪でも4~5回位の治療で改善(4、5ヶ月程度)するケースが多くなっております。

 ”矯正治療を行えば、二度と再発しませんか?”という質問がよくあります。もちろん、巻き爪治療の目標は爪の弯曲を正常状態よりさらにやや過矯正に持って行くことで側爪郭と爪弯曲のバランスを回復し巻き爪が再発しにくい形に持っていくことになると思います。

 さらに再発予防には、正しい爪切り、足趾でしっかり踏ん張る、足の形に合った靴なども大切ですが、一定割合で巻きやすい体質(遺伝的素因)を持った方もおり、そのような方では半年~1年少しでまた巻いてしまうこともあります。従って、巻き爪矯正の理想は再発したときに、より簡易に施行出来る方法がより望ましいとも云えるでしょう。

 

【手術は必要ですか?】

 巻き爪には従来、爪の巻いた部分を根元まで切除して爪母を除去・側爪郭の形成を行う陥入爪根治手術が良く行われてきました。もちろん治療によって改善するケースも多いのですが、巻きの強い例では残存爪が小さくなりすぎたり、爪甲が指先を支えるという本来の機能が失われてしまうことが問題です。

 過去には爪の一部と爪母のみを切除、側爪郭の形成を行わない術式(フェノール法も同じ)も行われたこともありますが、側爪郭の支えがなくなってしまうと残った爪がさらに巻いてしまうケースが多く、現在はあまり行われることはないようです。

 現在は様々な矯正治療があり巻き爪の症状を改善することが可能です。手術の適応となるのは、
①明らかに、爪の幅が広く爪幅を狭くした方が良い場合、     
②肉芽形成が強くガター法様々な保存治療を行っても肉芽の消退が得られない場合、

などに今後限られてくるのではと思います。

 

【爪矯正ワイヤー治療後のご注意】 

 矯正後の巻き爪爪矯正後は爪自体に強い力が掛かっており、強くぶつけたり、靴下・布団等で引っ掛けると、爪が割れたりワイヤーが取れます。樹脂部分も強く擦れると外れ易いので、きつい靴や激しい運動は控え、爪矯正部分は抗生剤軟膏・ガーゼ等で保護しましょう。

 矯正は約1ヶ月程度持ちますが、扱いが丁寧でないと早く取れます。特にプール・温泉等に入る時にワイヤーが脱落すると、万が一他の方が踏んだり、眼に刺さると大変危険なので、前もってワイヤーのぐらつきを確認し、テーピング等で保護します

 

◆矯正中の爪の切り方について◆
 爪の先端は理想的には指先の皮膚より1、2mm程度短くします。爪が皮膚より長いと靴などの指先に掛かる力が爪自体への圧迫となり 伸びが悪くなる・曲がって生えるなどの問題を起こします。

※ワイヤー近くを不用意に切ると、爪が割れワイヤーが脱落しますので爪切りは少しずつ丁寧に行います。爪が短くなってきた場合には爪ヤスリで少しずつ削ります。ワイヤーが先端に移動して切れない場合は新しく交換する必要がありますので早めに再診ください。ワイヤーを保護しているテープが取れたときは市販ゼリー状瞬間接着剤・紙テープで補強をお願いします。

 

◆巻き爪を持つ方は症状の軽い方も含めると現在人口の1割(約1000万人)いると云われ、非常にポピュラーな病気です。しかし外科的な処置・手術のみならず、さまざまな矯正治療などに対応した医院はまだ少ないのが現状のようです。(大木皮膚科/大森,大田区,品川区/巻き爪治療/病院/東京)(大木皮膚科/大森,大田区,品川区/巻き爪治療/病院/東京)

 

 当院では、各々の巻き爪の状態に応じて保存的外用療法・ガター法・アイロン法・爪棘切除をはじめとして、マチワイヤー・VHO式巻き爪矯正・BSスパンゲ・ペディグラス・SH法(そがわ法)などの矯正治療も含めた適切な巻き爪治療の方法をご提案させていただいております。
 巻き爪専門外来は令和5年4月より水曜午前の事前予約制となります。巻き爪矯正をご希望のかたはまず一般皮膚科外来を受診されるようにされてください。

 

 

  • この記事を書いた人
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医師;大木更一郎

平成元年日本医科大学を卒業し、皮膚科学教室形成外科斑に入局。平成16年より先代院長と伴に皮膚診療を行う。平成27年大学退職後、医院を継承。(※日本医大形成外科兼任講師・形成外科専門医・救急専門医・熱傷専門医・日本皮膚科学会会員)

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