アレルギー検査/大田区 -大木皮膚科、大森駅北口徒歩1分-
アレルギー検査について
アレルギー検査の目的には、①抗原となるアレルゲン(原因物質)を同定することと、②病気の重症度や病状をみるという2つの側面があります。食物アレルギーや接触アレルギーでは原因を回避することにより改善しますが、アトピー性皮膚炎など多因子性のものではアレルゲンを避けるだけではなく、スキンケア、環境対策なども大切となります。(大木皮膚科/大森,大田区)
【アレルギー検査について】
1,アレルギーの血液検査(IgE RAST法)とは?
2,食物アレルギー検査について
3,特殊な食物アレルギーの型
4,金属アレルギー・接触アレルギーの検査
5,薬疹に対するアレルギー検査
―血液検査に関してのお願い―
※血液検査は検体回収時間の都合で、診察受付終了時間以降は行うことが出来ません。検査目的で来院される場合は、平日の午前中もしくは午後5時までに来院し血液検査をご希望の旨受付までお申し出ください。なお、土曜日は混雑するためアレルギー血液検査をお受けしておりません。
※なお、当日検査をご希望される方はセット検査(view36、MAST33、CAP16など)をお選びいただけるか、下記のシングルアレルゲン項目一覧(PDFファイル)をプリントし希望する項目に13種類以内で○印をつけてご来院いただけるようお願い申し上げます。
【アレルギー検査に来院される方へのお願い】
本ページの記載の特異的IgE各種検査、CAP16各種検査、MAST33、Viewアレルギー36は外注検査であり、採血をおこなう医院であればどちらでも検査可能なものです。
※当ホームページの内容は、当院近隣(大田区,品川区)から定期的に受診される患者さんへの情報提供として作成しております。当院は小さなクリニックのため、夏期や週末・夕方など混み合い、待ち時間も多少長くなっております。遠方の方は、まずはかかりつけ医院、もしくは近くの総合病院等にご相談していただくようお願い申し上げます。 |
※検査結果は2週間後に再診していただき、直接お話するようにしております。結果のみの郵送はお受けしておりません。
※皮膚以外のアレルギー症状(眼・鼻・呼吸器症状など)の方は、眼科・耳鼻科・呼吸器科・内科などそれぞれの担当科にお掛かりくださいますようお願い申し上げます。
※View36などのセット検査とIgEシングルアレルゲンの個別検査は同時には出来ません。
※10種類以上の金属アレルギー検査・化粧品などの接触アレルギー検査(パッチテスト)・薬疹の検査はお受けしておりません。近隣の総合病院・大学病院(東邦医大など)へご相談ください。基本的に金属アレルギーのパッチテストはまず受診して頂いた後に、後日予約で行います。⇒必ず、検査目的金属を決めてからご来院ください。
※症状によっては必ずしも、アレルギー血液検査が不要の場合もありますので、現在治療中のお薬・症状に関する情報を必ずお持ち下さい。
※なお、12才以下(小学生以下)の採血検査はお引き受けしておりませんので、小児科等へご相談ください。
・本情報ページのスマホ版はありません。PCでご覧下さいますようお願い申し上げます。
アレルギーの血液検査(IgE RAST法)とは?
IgE(アイジーイー)抗体は外界からの異物を排除するために体の中で作られる免疫グロブリンの一種で「即時型過敏症」といわれる蕁麻疹、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などの発症に大きく関わっています。アトピー性皮膚炎では必ずしも全員のIgEが高いわけではなく、アレルギー物質に感作された結果、IgEの値が高くなる方が多い傾向があるといえます。IgEの数値と症状の程度はよく相関すると言われていますので、ご自分がどのようなアレルゲンに反応しやすいか把握しておくことも大切です。
血液検査を行うだけでアレルギーの傾向を判断できますのでIgE RAST法は現在、一般的な外来診療において良く行われています。しかし検査できる項目数が保険適応で一度に13種類までとなっており、また自己負担額が5000-6000円程度と高くなってしまうのが欠点です。もちろん、検査する数が少ないと負担額は少なくなるので症状から類推して本当に必要な検査項目をしっかり絞ってから検査を行うのも良いでしょう。食物アレルギー、アトピー、花粉症などの症状別にCAP16という陽性度の高い項目をセットにしたものや、やや感度が悪くなるもののMAST33といって一度に33項目検査する方法もありますので、担当医までご相談ください。これらの検査は13種類のチェックを行った場合と同一料金で行えますが、項目の指定を個々に行えないことが欠点です。(大木皮膚科/大森,大田区)
アレルギー疾患の血液検査
・非特異的IgE量
全てのIgE抗体の総和でアレルギー体質の強さや目安が分かります。アトピーの症状が強い方は非常に高い値がでることがあります。年齢により正常値が大きく異なるため注意が必要です。
・好酸球数
一般にアレルギー体質では好酸球の増多を示します。また、アトピー悪化時には増加傾向になります。
・TARC(タルクorターク)
最近では、アトピー性皮膚炎の皮疹の重症度・病状変化の目安として血清TARC( thymus and activation-regulated chemokine ) と呼ばれる白血球に対して走化性などを示すケモカインの測定が有用とされています。アトピー皮膚炎の皮疹の状態を数値でみることができ、IgEと伴に測定することで実際の治療効果を中長期的に把握していくのに役立ちます。TARC測定をご希望の方は担当医までご相談ください。検査を施行した場合に自己負担額が1000円少しプラスされます(3割負担の場合)。

・特異的IgE抗体検査
それぞれの
アレルゲンに対するIgE抗体の量を検査数値ごとに、1~6までの6段階に分類します。一般的に
3以上のスコアの場合は、そのものに対してアレルギー反応を起こす確率が高くなります。IgEの数値がある程度高くても、アレルギーを起こさない方もいますので、実際に摂取or 接触したときにアレルギー反応を起こすかどうかが一番大切です。なお、IgEの数値は病状により変化していくため、症状に変化があり1,2年経過したら再度調べてみても良いでしょう
。
具体的な検査項目は主に、・ハウスダスト、ダニ、カビ、動物などの環境アレルゲン・ラテックスなどの職業性アレルゲン・花粉症の原因となるスギ、ヒノキ、雑草、イネ科など・食物アレルギーを起こす卵、小麦、牛乳、ソバ、ピーナッツ、甲殻類などに分類されます。
※果物、野菜などの食品では、スクラッチテストも行うことがあります。(大木皮膚科/大森,大田区)

※アレルギー検査を当日ご希望の方は、行いたい検査項目(13種類まで)もしくはセットを必ず問診用紙にお書きいただくか、下記PDFファイルをプリントして希望の項目に◯印をつけてご来院下さい。特異的IgEは200種類以上あり、ご希望の方には受診時に検査項目の用紙をコピーしてお渡ししております。
⇒PDFファイル<シングルアレルゲン項目一覧>でもご覧になれます。
※アレルギー検査は13種類フルに行うと5000~6000円(保険適応3割負担で)ほど掛かってしまいます。診察中に項目を選ぶアドバイスは致しますが、項目を選んでいただけない場合は当日検査をできない場合がありますのでご了承ください。

※成人アトピーではハウスダスト、ダニの他、マラセチア・カンジダなどのカビ、イヌ・ネコ皮屑にも陽性を示すことが多い傾向があります。
◆IgEの値と症状出現率について

※花粉症などの吸入アレルゲンは、IgE値が陽性を示す方では症状が誘発される確率が高いですが、食物アレルゲンでは、軽度のgE値上昇では症状が必ずしも出るわけではありません。
特異的IgE抗体検査の疾患・症状別セット項目
●アトピー鑑別試験
アトピー鑑別試験とは特異的IgEの多項目同時検査ファディアトープのことを差し1つの測定試薬で12種類の代表的な吸入性アレルゲンに対する特異的IgEを検出し、結果は陰性か陽性で報告されます。現在、測定できる特異的IgEは200種類以上あり、日常臨床において原因アレルゲンの推定が難しい場合があります。そこでこれらを一括し、まず吸入性アレルゲンに感作されているかをスクリーニングする検査です。総IgEとアトピー鑑別試験との組合せによってアトピー性疾患(特に鼻炎、花粉症)の診断効率を高めることができると言われています。(大木皮膚科/大森,大田区)
【吸入系】 花粉(スギ、シラカンバ(属)、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ギョウギシバ)、ダニ (ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ)、カビ (カンジダ、アルテルナリア)、動物上皮 (ネコ皮屑、イヌ皮屑)

《IgE-CAP16シリーズ(特異的アレルゲン16種)》
特異的IgEのアレルゲン16項目を組み合わせた「特異的IgE-CAP16」は症状、年齢に応じた6種類の構成となっております。厚生労働省研究班等の疫学調査から各アレルギー症状に対し陽性率の高いアレルゲンをセットしていますので、原因アレルゲン同定による食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、鼻炎・喘息などのアレルギー疾患の早期診断・治療に有用です。さらに高感度のImmunoCAP法を採用しており精度の高い検査が可能です。

● CAP16 食物アレルギー
食品表示義務7項目をはじめとする食物アレルギーで発症頻度の高い項目を選択した食餌系アレルゲンのみで構成しています。
【食物系】:牛乳、卵白、オボムコイド、ソバ、コムギ(実)、大豆、ピーナッツ、クルミ、バナナ、キウイ、牛肉、エビ、カニ、サケ、マグロ、イクラ
● CAP16 アトピー乳幼児
乳幼児においてAD(アトピー性皮膚炎)単独だけでなく、BA(気管支喘息)単独やAD+BA合併症にも注目し、食餌系アレルゲンに乳幼児で重要な室内アレルゲンとスギの吸入系アレルゲンを組み合わせました。
【食物系】牛乳、卵白、オボムコイド、ソバ、コムギ(実)、大豆、 ピーナッツ、エビ、サケ、マグロ、イクラ
【吸入系】ダニ1、スギ、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ゴキブリ
● CAP16 アトピー学童
学童期の様々なアレルギー疾患に対応できるよう食餌系アレルゲンと吸入系アレルゲンをバランスよく組合せました。
【食物系】牛乳、卵白、ソバ、コムギ(実)、大豆、ピーナッツ、キウイ、エビ、カニ、マグロ
【吸入系】ダニ1、スギ、カンジダ、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ゴキブリ
● CAP16 アトピー成人
成人のAD単独だけでなく、BAやAR(アレルギー性鼻炎)との合併症にも対応したアレルゲンを選択しました。さらに感作率が高い皮膚常在菌のカンジダ、マラセチアを組合せました。
【食物系】ソバ、コムギ(実)、大豆、ピーナッツ、キウイ、エビ、カニ、サバ
【吸入系】ダニ1、スギ、カンジダ、マラセチア、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ゴキブリ、ガ
● CAP16 花粉症・鼻炎
2009年鼻アレルギーガイドラインに掲載されているアレルゲンをカバーしながら、スギ、カバノキ科、イネ科花粉症における口腔アレルギーの原因となるトマトを組合せました。また、全年齢に対応したアレルゲンを選択しています。
【吸入系】ハウスダスト1、ダニ1、スギ、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ハムスター上皮、ゴキブリ、ユスリカ(成虫)、ガ、カビ-マルチ
【口腔系】トマト
● CAP16 アレルギー性喘息
成人のBAで感作率が高いアレルゲンを選択しARとの合併症にも対応したアレルゲンで構成しています。
【吸入系】ハウスダスト1、ダニ1、スギ、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリア、カンジダ、アスペルギルス、ネコ(フケ)、イヌ(フケ)、ゴキブリ、ユスリカ(成虫)、ガ
●OASスクリーニング10
スギ、ラテックスと交差反応のある口腔アレルギー症候群(OAS;Oral allergy syndrome)において頻度の高い、果物、野菜のセットとなっております。
【食物系】リンゴ、モモ、メロン、バナナ、スイカ、大豆、ピーナッツ、ニンジン、ジャガイモ、トマト

●MAST33(同時多項目アレルゲン特異的IgE測定)
33項目のアレルゲン(食物14種、花粉9種、鼻炎・アトピー10種)を1回で測定できる保険適応の検査です。実施料1430点(3割負担で約5000円)で頻度の高い33項目のアレルゲン測定結果が分かります。アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などで患者さん自身が気づかなかった感作を発見することができます。
・特定原材料7品目のアレルゲンをカバーします。店舗で販売される食品につき表示義務のある特定原材料7品目のアレルゲン(卵、牛乳、小麦、エビ、カニ、ソバ、ピーナッツ)を含め、14種類の食物アレルゲンの検査ができます。
・花粉アレルゲンは、スギ花粉以外は認知度が高くなく、その他の重複感作の有無を調べることが出来ます。
・環境アレルゲンとして、ハウスダスト、ダニ、カビ5種、動物皮屑2種の検査および接触皮膚炎の原因となるラテックスアレルギーの有無が調べられます。(大木皮膚科/大森,大田区)

※酵素免疫測定法(enzyme-linked immunoosrbent assay,ELISA),MAST法・・・精鋭度、鋭敏度がCAP-RAST法に比較してやや劣るとされる.。
●View アレルギー36
依頼頻度・陽性率の高いアレルゲンから厳選した36のアレルゲン(吸入系そのた18項目・食餌系18項目)から構成されています。必要な検体量は血清0.7mlになりますので小児でも多項目の検査が可能となります。従来の「特異的IgE検査」とも高い相関関係(判定一致率91.3%)を示し使いやすい検査となっております。
従来あったMAST33との違いは下記となります。
・アトピ―性皮膚炎の悪化因子の1つとされるマラセチア(属)
・近年、室内アレルゲンとして認知度が高まりつつあるガ・ゴキブリ
・加熱卵摂取可能性の指標となるオボムコイド
・OAS(口腔アレルギー症候群)の代表的誘発食品であるキウイ・リンゴ
・仮性アレルゲンによる症状と判別しにくいサバ
・特定原材料に準ずる物(表示推奨)として新たに追加されるゴマ
※ハルガヤ、オオアワガエリ、クラドスポリウム,チーズは無しとなります。
花粉症の原因となるスギ・ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ・OASと合併することのあるハンノキ、シラカンバ・特定原材料(表示義務)7品目などは、MAST33と共通です。

※従来と同じ自己負担額(保険適応で5000円程度)でお受けになれます。ご希望の方は問診票にViewアレルギー36とお書きください。


食物アレルギー検査について
・乳幼児の食物アレルギーについて
0才~2才までの3大アレルギー原因食物は、鶏卵(卵白)、乳製品、小麦となっていますが、これらの割合は3歳くらいまでに腸での免疫寛容がおこり耐性獲得とともに減少していきます。食物アレルギーは食後2時間以内に強く症状の現れる即時型反応が問題となり様々なアナフィラキシー症状(蕁麻疹、発赤、おう吐、呼吸困難、喘鳴など)を引き起こします。
4才以降は、甲殻類、そば、果物、魚卵などの割合が相対的に増えてきます。ピーナッツ、そば、えび、かになどの甲殻類は、成人などでも耐性獲得は少ないためアナフィラキシー症状を起こすことがあります。現在、特定アレルギー食品(卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生)の食品表示が義務づけられていますが、店頭販売や外食での表示義務はないため注意が必要です。(大木皮膚科/大森,大田区)

・アトピー性皮膚炎との関連
乳児アトピー性皮膚炎の一部の方に食物アレルギーが合併すると云われています。(逆に、食物アレルギーのお子さんの合併症としてアトピーがあるとも云えます。)食物摂取後に明らかに皮疹の悪化、蕁麻疹様の発疹など出る方は食物アレルギーの検索をした方が望ましいでしょう。
一方、最近では皮膚がガサガサであることが新たな食物感作の原因となる(経皮感作)と考えられており、皮膚の状態をスキンケア、外用剤による治療をしっかり行い良くしておくことが、新たなる食物アレルギーの予防になるとされています。(大木皮膚科/大森,大田区)
―2008年米国小児科学会栄養委員会の声明より抜粋(アトピー発症予防の記述)―
1,妊娠中の母親の食物除去は不要。授乳中の食物除去はアトピーを予防する可能性あり。
2,アトピーハイリスク乳児では4ヶ月以上の母乳単独栄養が罹患を減らす。
3,人工栄養のハイリスク児では、加水分解乳が早期のアトピー発症を遅らせる。
4,固形食は4~6ヶ月以前に開始すべきでないが、それ以上遅らせても発症を予防しない。
5,経口摂取により症状が引き起こされる小児では、詳細な診断のもと除去食が必要になるかもしれない。
食物アレルギーの検査
・好酸球数、総IgE値
一般にアレルギーでは好酸球が増加傾向を示すことが多いです。総IgEの値は、アレルギー体質であるかの目安として重要とされます。
食物アレルギーに対するIgE検査値は、陽性に出ても実際にその食物を取っても症状がでるとは限らず、検査の結果との一致率は6-70%程度と言われています。一方、特定の食べ物(卵、牛乳、小麦、大豆、ピーナツ、魚介など)は数値が一定以上であれば原因抗原との予測が可能なことが分かっています。
・イムファーストチェック
ランセットという専用の器具を使い、皮膚から少量の出血をさせて細いガラス管(ヘマトクリット管)で血液を採取します。採血した血液を希釈して判定用プレートに滴下することで20分程度で乳幼児で陽性になることが多い卵白、牛乳、小麦の特異的IgE抗体を調べられます。血管に針を刺して採血する必要がないため、生後6ヶ月以降の小さな赤ちゃんやお子様でも検査を受けることができます。
※生後2,3ヶ月では、まだ充分なIgEが産生されていないため陰性となることが多いです。スギ、ネコ、ダニは取り寄せになりますが、年長児では直接採血をおこない、CAP16アトピー乳幼児セットを行う方がより多くのアレルゲンを一度にスクリーニングできます。
・皮膚テスト、スクラッチテスト、プリックテスト(prick to prick test)
プリックテストは野菜や果物などの抗原診断に直接食品に指した専用のランセット針を皮膚に押し当てて傷を付ける方法でIgE陰性例などでも診断的価値が高いとされます。スクラッチテストはアレルゲンとなる食物抗原を皮膚に滴下し27G針などで軽く傷つける方法で、20分後くらいで結果を判定します(予約制)。
当院では乳幼児にアレルギーの多い卵白、卵黄、牛乳、小麦のスクラッチ用アレルゲンをご用意しております。その他のスクラッチテストは食品そのものを検査の時にお持ちいただき対応しております。皮内テストはアナフィラキシーの危険があり、現在はあまり行われていません。
・経口食物負荷試験
食物アレルギーの診断には詳細な問診と原因食物の検索が必要ですが、正確な診断には食物負荷試験を行う必要があります。アナフィラキシーなどの重篤なアレルギーを起こす危険があるため、緊急時の対応(点滴、呼吸管理など)ができる総合病院で、保護者の同意の上で行われます。食物アレルギーの原因診断のためと、除去食療法を行ったあとに耐性獲得の確認のために行われる2つの場合があります。
※食物アレルギーのための除去食は、専門機関でご相談の上行った方が良いでしょう。栄養が偏らないために栄養指導を受けた上で行います。「正しい診断に基づいた必要最小限の食物除去が大切」であり、多くの患児は「少しずつ自然に食べる」ことで治癒していくと考えられています。
※食物アレルギーが疑われる場合には、まず食物日誌をつけることをお勧めします。
食事の時間と食べた食品の内容、体調などの内容を記録することが貴重な情報源になります。
(大木皮膚科/大森,大田区)
【参考】ヒスタミン遊離試験とは・・・
血清中の特異的IgEが検出されなくても、抗原が好塩基球に付着した抗原特異的IgEに反応して放出するヒスタミンを定量することにより感作の状態を知る 方法です。ヒスタミン遊離率が全部で20%のlow responder例が多く、判定不能となるのが問題となります。陰性的中率の高さから主に食物アレルギーの除去食解除の目安として用いられます。

特殊な食物アレルギーの型
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー
ある特定の食物(特に小麦、甲殻類、野菜・果実、牛乳)を食べた後に運動により誘発されるアナフィラキシ―反応を起こします。学齢期と30代にピークがあるとされます。
近年、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA; wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis)を引き起こすものとして「茶のしずく石鹸」の小麦加水分解産物による経皮感作が社会的問題となりました。
・口腔アレルギー症候群(OAS; Oral allergy syndrome)
新鮮な野菜、果物を食べているときに口腔、咽頭に限局したアレルギー発作を起こします。スギ花粉などとの交叉抗原に感作されておきる口腔粘膜の接触アレ ルギーとされています。原因抗原によって花粉-食物アレルギー症候群、ラテックスフルーツ症候群とも呼ばれることもあります。特異的IgE抗体の測定の他 に新鮮な果物など用いたprick testも原因食物同定に有用とされています。(大木皮膚科/大森,大田区)

薬疹に対するアレルギー検査
パッチテスト、スクラッチテストでは、アレルギーを起こした原因薬物をお持ちいただく必要があります。細かく砕いた検体を専用のテスターに乗せて、背部もしくは上腕内側に貼り48時間後、72時間後に赤みなどの変化を記録します。
内服チャレンジテストは重篤な症状を呈した例ではアナフィラキシーなどの危険もあり大学病院等へ紹介となり、入院監視下で緊急対応のできるスタッフの揃った平日日中に行うようになります。リンパ球刺激試験(DLST; Drug-lymphcyte stimulation test)は採血するのみで原因検索ができるのがメリットですが、病型によって陽性率が異なること、保険適応になりましたがクリニックでは検査会社への支払いが高くなり施行困難なのが問題です。(大木皮膚科/大森,大田区)
※10種類以上の金属アレルギー検査・化粧品などの接触アレルギー検査(パッチテスト)・薬疹の検査はお受けしておりません。近隣の総合病院・大学病院(東邦医大など)へご相談ください。
【アレルギー検査関連情報】
※当院で行っているアレルギー検査の依頼先になります。